「最近の若い人」という言葉は大変面白いもので、どの時代でも使える都合の良い言葉だと思います。
私たち世代が社会に出た頃、一般に就職氷河期と呼ばれる頃ですが、「若い人は何を考えているか分からない」といった世代の評価を受けていました。
今、若い人と言えば「Z世代」と呼ばれる人達を指し、これも「何を考えているか分からない」という扱いを受けています。
10年ほど前は「悟り世代」でしょうか。こちらも「何を考えているか分からない」といった評価を受けていたように思います。
恐らく私達の親世代も「何を考えているか分からない」といった評価を受け、祖父母の頃も同じような扱いを受けたのではないでしょうか。
自分が「社会の常識」に染まってくると、新しい社会人の価値観を理解することができず、最近の若い人は良く分からないという評価を下しがちです。が、結局のところ誰しもが「最近の若い人」であって、その時代の中心世代から「理解できない」という評価を受け、やがて自分が次世代に対して「理解できない」という評価を下すという、何とも不思議な繰り返しを行っているだけだと思っています。
行政書士会の業務の一つに法教育の支援があります。私も毎年大学で講義を行いますが、学生に色々聞いてみると、やはり価値観が違う子が多いように感じています。
私が就職した時、残業というものは1.25倍の給料がもらえる大変素晴らしいものだと理解したのですが、「最近の若い人」は給料が少なくても残業が無い=自分の時間を確保できることが望ましいと考える子が多かったです。
ただ、これも徐々に傾向が変わっており、昨年聞いた時には「忙しいけど給料が沢山貰える」方が良いという子の比率が若干増えました。と言っても7~8割の子は「時間>給料」でしたので、企業採用のために福利厚生等に力を入れているのも、こうした学生の声を聴いてのことだろうと思います。
最近の若い人、昔の若い人、時代が違えば価値観が違うのも当たり前ですよね。
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